2020/11/30  
バーンインノイズの話その2

皆全然興味ないだろうが、偉業を成し遂げたのでここに書き留めておこう。
バーンインノイズは一応公開しているのだが、公開以降も改善は続けている。この改善は公開するためにやっているわけではなく、「改善する道筋が見えていたらやらざるえないよなぁ・・・改善したらどんな音になるんだろう?」と言う私の業がそうさせているだけだ。

公開しているバーンインノイズにもいくつか問題があった。

1.音量による音質差がかなり大きいと言うこと。
  適正な音量でないと良い音が出ない。音量調整がかなりシビア。

2.「003MUGEN IDC Burn-in Noise 03」は連続再生耐性がない。
  連続再生を行うと次第に音色が悪くなっていく。対応策としては「002MUGEN IDC Burn-in Noise 02」を6回程度再生した後、「003MUGEN IDC Burn-in Noise 03」は1回再生にとどめるのが良い。

・・・と箇条書きしたら2つしかなかったw 開発に9ヶ月掛けただけあって完成度はかなり高いんだな。

改善を続けて、現状、問題1についてはある程度改善できるようになった。音量調整は大体あってれば良いレベルになったのでかなり楽になった。問題2に関してはある程度の長時間再生に耐えるのだが、完璧には無くせていない。とは言っても「002MUGEN IDC Burn-in Noise 02」を連続再生後に1-2回再生すればいいのだが。そういう意味では「002MUGEN IDC Burn-in Noise 02」は今見ても良くできている。このノイズはほぼ改善する必要がないんじゃないかと思う。連続再生耐性がある上にそこそこの音質に仕上がる。音色も良い。音が若干濁るけどね。

 まだ改善途中なのだが、改善途中のテストノイズで先日かなりの音質が出せるようになった。使用したヘッドホンはnightowl carbonで、解像度でEPT-700(02s91 LRSWHN741, 2.406Vrms, +470段)の310段程上。HD650(標準ケーブル)の780段上と言うレベル。これは解像度でHPT-700の225%増し、nighthawk carbonの143%増しみたいな感覚。ただ音色を改善するのは中々難しく、音色は解像度ほどのインパクトはないが、開放型のnighthawk carbonと比べて、(実際はあるのだが)密閉型固有のダンプの影響を感じないくらい自然な音が出ていて音色が明らかに良いと言えるレベルには達している。心に届く音楽性。聴いてて楽しい音だ。ここまでくるとHPT-700やnighthawk carbonが歪んで聴こえるからすごい。はっきり言って次元が違う。

5000時間くらい普通に鳴らしているnighthawk carbonとの差がここまであると、ノイズだけでなくエージングの音量はかなり大事だと感じる。
「エージングとは何か?」現状では「エージングとは、振動板を動かしてエッジや振動板を慣らすという側面もあるが、振動板を叩いて歪を取るという側面もある」と理解している。つまり、歪を取ると言う観点から言うと、普通に鳴らして振動板をトントントントン軽く叩いただけでは取れない歪があるので、やはり大音量で鳴らした方が良いというわけだ。だが大音量であればあるほど良いわけではなく、音量が大きすぎると強く叩きすぎてかえって歪が入ってしまう。適正な音量と言うものがある。さらに、鳴らす音源でも固有の歪が印加されるので、音源でも音が変わってしまう。個人的には普通の音源よりも、歪を取るのに特化した完全に制御されたノイズの方が良い。それに自分で作っているから安心感が違う。

 nighthawk carbonやHPT-700もバーンインノイズを使わないにしても大音量で鳴らすともっと音良くなるはず。そうしないのは大音量エージングが一般的ではないから。メーカーが想定した音が知りたいので爆音エージングはしていなかった。と言っても5000時間鳴らすのもすでに一般的ではないから、もうそこに拘る必要はないかもしれないが。メーカーが大音量エージングを勧めないのは単純に壊すリスクがあるからだろう。だったらお前らが最初からやっとけって話ではあるけど。あとは音源によっては音がおかしくなる可能性があるし、音量が大きすぎると良い音に仕上がらないから結局素人には難しいかもしらんの。


 今回比べてみてnighthawk carbonやHPT-700があまりにも貧相に鳴るものだからかわいそうになってきた。全然まともに鳴ってないもんなぁ。。。だがHPT-700は比較の時の基準として使っているし、大音量エージングした音が一般的な音か?と言われればそうではないので、悩ましいところではあるが基準として使っていく限り大音量エージングはしないつもりだ。だが本当の意味でヘッドホンのポテンシャルを引き出したい人は大音量で鳴らしこんであげるべきだろう。もしヘッドホンが壊れても責任は取らないけどな!

また今回試作したノイズは凄まじい音が出たわけだが、「オーディオと言うのはやってることがはっきり音に表われるな」と思う。音の良い物はその為の努力はしてるし、音の悪い物は適当にしか作られていない。nighthawk carbonやHPT-700はかなり努力したのだろう。自分の経験からあのレベルの音を出すのはかなりの努力がいるはずだ。だが、「もっと良い音出せるよね?」とも思ってしまう。サーモスは事業撤退してしまったのだが、続けないと意味がないんだよなぁ。。。


追記_20201201
・・・先日のノイズちょっと条件変えたら音色が悪くなっちゃった。それでもnighthawk carbonと比べて良いと判断されるが、先日のと比べると音色が落ちる。聴いてて楽しくない。条件がかなりシビアだな。もっと簡単に音楽性の高い音が出せるように鳴ると良いのだが。もっと詰めないといかんね。






   関連リンク

2020/11/30 執筆    
2020/12/02 公開